産業廃棄物収集運搬業許可を取得後、許可申請の内容が変わってしまうことってよくありますよね。
変更する内容によって、次のどちらかの手続きが必要になります。
- 変更届
- 事業範囲の変更許可申請(以下、変更許可申請)
このうち、変更届は聞いたことがあっても、変更許可申請についてはいまいちピンとこない人も多いのではないでしょうか?
この記事では、変更届と変更許可申請の概要について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
変更届が必要な場合
次の事項に変更がある場合は変更届を提出しなければなりません。
・住所の変更
・氏名又は名称の変更
・法定代理人
・法人の役員、政令使用人の変更
・5パーセント以上の株主や出資者の変更
・事務所及び事業場の所在地の変更(駐車場の変更を含む)
・運搬車両の変更(変更とは運搬車両の追加、減車を含む)
・事業の一部廃止※
変更内容によっては、許可証の書換が必要となることがあります。氏名や名称の変更など、許可証の記載が変わる場合です。
※事業の一部廃止とは、許可品目を減らすことを言います。
例えば、許可品目である「金属くず」の取扱・運搬をやめたいというときなどがそうです。
逆に許可品目を増やすときは、変更届ではなく事業範囲の変更許可申請が必要になります。後述します。
添付書類は?
変更の届出書とともに、主に次の添付書類が必要になります。
・登記簿、住民票(氏名や名称、役員等の変更)
・車検証(車両の変更)
・許可証(事業の一部廃止)
※添付書類は自治体によって異なります。必ず事前に確認してください。
提出期限は?
変更届の提出期限は変更があったときから10日以内です。
ただし、法人の場合で、登記事項証明書を添付する必要があるときは30日以内です。
法人の場合は、法務局で役員の変更登記や本社移転などの登記が必要になります。
登記は思った以上に時間がかかるので、変更があったらすぐに申請してください。
提出をしなかったら?
変更届を提出しなかった場合は、「30万円以下の罰金」の適用の対象となります。
また、30万円払えばそれで済むというものではなく、厄介なのは罰金刑を受けると欠格事由に該当してしまうことです。
欠格事由に該当してしまうと、許可が取り消されるので注意が必要です。
変更許可申請が必要な場合
次の事項に変更がある場合は、変更届ではなく、変更許可申請が必要になります。
1、許可品目を追加する(取り扱う産業廃棄物の種類を追加する)
2、「積み替え保管あり」に変更する
1、許可を受けた種類(許可品目)以外の産業廃棄物は運搬することができないので、取り扱う産業廃棄物を追加したい場合は変更許可申請が必要になります。
また、許可証によっては、石綿(アスベスト)を「除く」となっていることがありますが、これを「含む」に変更する場合、いわゆる「限定解除」をする場合も変更許可申請が必要です。
2、「積み替え保管」に変更する場合の変更許可申請は、他の変更許可申請や新規申請と違い、手続きの内容や難易度が大きく異なります。
「積み替え保管あり」についてはこちらの産業廃棄物収集運搬業許可|積替え保管の2つのメリットで解説で詳しく解説しています。
※特別産業廃棄物の場合は、変更許可申請ではなく、新規申請となります。特別産業廃棄物収集運搬業の許可が別に必要になるということです。
新規申請と大差ない
変更許可申請は、今までできなかったことをできるようにする手続きなので本質的には新規申請と変わりません。
そのため、許可品目を追加をする場合の変更許可申請は、手新規申請の手続きや必要書類などに大差はありません。
罰則は?
変更許可申請をしないで営業すると、無許可変更となり罰則の対象となります。
無許可変更は、最高刑で懲役5年、罰金1,000万円の罰則を受けることになります。
新規申請と同じくらいの費用がかかる
変更許可申請の際は新規申請と同様、役所に手数料を払わなければなりません。
変更許可申請の手数料は71000円です。(新規申請は81000円)
結局、新規申請と同じくらいの労力と費用がかかることになります。
注意点としては、新規申請の際に、取扱う予定のある産業廃棄物は許可品目としてまとめて取得しておくべきです。
後で、許可品目を追加するとなると、その都度71000円かかってしまいますよね。
※変更届は手数料が必要ありません。
まとめ
いかがでしたか?
変更届は、変更があればその都度、提出しなければなりませんし、複数の自治体で許可を持っていれば、そのすべての自治体に提出する必要があります。
また、許可品目の追加は、変更届ではできません。必ず変更許可申請が必要になります。
自治体は、追加する廃棄物を適切に処理をできる能力があるのかを改めて審査する必要があるからです。
この記事では、新規申請の際に、取扱う予定のある産業廃棄物は許可品目としてまとめて取得しておくことをおすすめしました。
許可取得後、どうしても許可品目を追加しなければならないという場合は仕方ありませんが、後で余計な費用や労力がかからないように取り扱う産業廃棄物は効率的に取得しておくのがベストです。