産業廃棄物とは事業活動に伴ってオフィスや工場から出るゴミのことで廃棄物処理法で定められた20種類の廃棄物のことです。略して産廃(さんぱい)といわれています。

この記事を読んでいる人は自分の事業に関係する廃棄物がそもそも産業廃棄物なのか気になっているのではないでしょうか?

オフィスから出るゴミでも産業廃棄物以外だと家庭ごみと同じ一般廃棄物となり、一般廃棄物収集運搬業許可が必要です。

また、有価物といって価値のあるものは廃棄物ではないので古物商の許可が必要になります。

この廃棄物か有価物、また産業廃棄物か一般廃棄物にあたるのか、これはなかなか奥が深く判断が難しいこともあります。

ここでは、20種類の産業廃棄物の内容と有価物の判断基準を説明するのでしっかり理解を深めてください。

まずは廃棄物か有価物かを確認

いきなり難しい話になってしまうのですが、廃棄物に該当するかどうかは、1、物の性状、2、排出の状況、3、通常の取り扱い形態、4、取引価値の有無、5、占有者の意思等を総合的に判断して決定されます。これを総合判断説といいます。

このことを踏まえて考えますと、まず売れるものは有価物、売れないものは廃棄物と分類できます。

しかしながら、有償売却=有価物とは簡単に言い切れません。

例えば、排出事業者が運送費やリサイクル料を支払った結果、売却利益がなくなった=経済的損失を受けていれば廃棄物になってしまいます。

逆にその運送費を差し引いても売却利益が上回れば有価物となります。

この場合、取引をするには古物商の許可が必要になるケースも出てきます。

産業廃棄物と一般廃棄物の違い

それでは産業廃棄物と一般廃棄物の違について見ていきましょう。

産業廃棄物とは事業活動に伴って生じる法令で定められた20種類の廃棄物のことです。この事業活動とは製造業やオフィス等の企業活動の他にも学校等の公共事業も含まれます。

また、一般廃棄物は家庭ごみや事業活動に伴って排出される廃棄物の中でも産業廃棄物以外のものです。

産業廃棄物の処理責任者が排出事業者になるのに対して一般廃棄物の処理責任者は市長村です。ただし、事業活動に伴って排出される廃棄物は排出事業者です。

また、廃棄物は「固形状もしくは液状のものであり、放射性物質の廃棄物を除く」と定義されています。つまり前提として固形状か液状である必要があります。

例えば、気化するフロンなどは固形状や液状ではないので廃棄物にはあたりません。この場合、廃棄物処理法ではなくフロン排出抑制法が適用されます。

特別管理廃棄物とは?

廃棄物には毒性や爆発性を強く含むものがあり、人体の健康に悪影響を与えたり、普通の廃棄物より危険度が高いものがあります。

このような廃棄物を特別管理廃棄物といいます。

当然、高度な管理が求められます。特別管理廃棄物は産業廃棄物と一般廃棄物のどちらにも存在します。

産業廃棄物は20種類ある

前述のとおり、産業廃棄物は事業活動に伴って生じた廃棄物のうち全部で以下の表の20種類あります。

しかし、このなかでも紙くず、木くず、繊維くず、動物性残さ、動物性固形不要物、動物の糞尿、動物の死体の産業廃棄物に関しては排出する業種が特定されています。

特定されていない業種から排出されるものは、いくら事業活動に伴って発生した廃棄物でも産業廃棄物にはなりません。

例えば、造園業で発生する枝の切りくずは木くずですが、造園業は建設業、木製品製造業、パルプ製造業のどれにもあてはまらないので、産業廃棄物ではなく一般廃棄物となります。

また食料ゴミは食品製造業に限定されているため、飲食店から発生する残飯などの食料ゴミは一般廃棄物となります。

 

 

種類 具体的例
燃え殻 石炭がら、焼却炉の残灰、炉清掃排出物、その他焼却残さ
汚泥 工場廃水など処理汚泥、各種製造業の製造工程で生じる泥状物、建設汚泥、下水道汚泥、浄水場汚泥
廃油 鉱物性油、動植物性油、潤滑油、絶縁油、洗浄油、切削油、溶剤、タールピッチ等
廃酸 写真定着廃液、廃硫酸、廃塩酸などのすべての酸性廃液
廃アルカリ 廃ソーダ液等の全てのアルカリ性廃液
廃プラスチック類 合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくずなど合成高分子系化合物
ゴムくず 天然ゴムくず
金属くず 鉄くず、アルミくず、研磨くず、切削くず等
ガラス・コンクリート・陶磁器くず ガラスくず、製品の製造過程等で生ずるコンクリートくず、陶磁器くず、セメントくずなど
10 鉱さい 鋳物廃砂、電炉等溶解炉かす、ボタ、不良石炭、粉炭かすなど
11 がれき類 建物の新築・改築・解体により生じたコンクリート破片、アスファルト破片など
12 ばいじん 工場や焼却施設の排ガスから集められたばいじん
13 紙くず 建設業に係るもの(工作物の新築、改築または除去により生じたもの)、パルプ製造業、製紙業、紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業から生ずる紙くず
14 木くず 建設業に係るもの(工作物の新築、改築または除去により生じたもの)、木材・木製品製造業(家具の製造業を含む)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業および物品賃貸業から生ずる木材片、貨物の流通のために使用されたパレット等
15 繊維くず 建設業に係るもの(工作物の新築、改築または除去により生じたもの)、衣服その他繊維製品製造業以外の繊維工業から生ずる木綿くず、羊毛くず等の天然繊維くず
16 動植物性残さ 食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物、のりかす、醸造かす、発酵かす、魚および獣のあら等の固形状の不要物
17 動物系固形不要物 と畜場において処分した獣畜、食鳥処理場において処理した食鳥に係る固形状の不要物
18 動物の糞尿 畜産農業から排出される牛、馬、豚、めん羊、にわとり等のふん尿
19 動物の死体 畜産農業から排出される牛、馬、豚、めん羊、にわとり等の死体
20 上記の19種類の産業廃棄物を処分するために処理したもの(コンクリート固形化物など)

 

※13から19までの太字で表示された産業廃棄物については特定の業種から排出されるものに限定されます。

まとめ

産業廃棄物の定義

  • 事業活動に伴って排出されている
  • 廃棄物処理法で定められた20種類に該当
  • 固形状もしくは液状のもの
  • 放射性廃棄物以外のもの

いかがでしたか?事業活動に伴って排出されたものが有価物であれば、廃棄物ではありませんし、有価物でも売却利益が下回れば状況次第で廃棄物に変わってしまいます。

また、同じ産業廃棄物でも紙くずや木くずのように排出する業種が特定されているものは一般廃棄物になる場合もあります。

自分の扱う廃棄物がどれにあたるのか判断しづらいこともあると思いますが、その際は自治体に必ず確認しましょう。