産業廃棄物の運搬で使用する容器について詳しく解説！

産業廃棄物の性状や運搬の効率を考慮して運搬容器を使用することがあります。

例えば、液状の廃棄物を大量に運搬するには通常の場合、タンクローリーなどの専用車両を使用します。

しかし、液状などの廃棄物が少量の場合、それ専用の容器を使用して、通常の車両で運搬する方が効率的なこともあります。

このように適切な容器を上手く利用することで、専用車両を使用しなくても運搬できるようになります。

この記事では収集運搬で使われる容器の種類の解説から、産業廃棄物と運搬容器の組合せ例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

Contents

産業廃棄物の運搬容器の主な種類

運搬容器には主に以下のものがあります。

ドラム缶

プラスティックドラム

プラスティック容器

石油缶

フレキシブル・コンテナ

大型コンテナ

感染症廃棄物容器

産業廃棄物の運搬容器として一番よく使われているのはドラム缶です。

ドラム缶は値段も安く、大きな廃棄物や感染症廃棄物を除けば、液状から固形の廃棄物まで幅広く使用することができます。

しかし、使いやすさの反面、廃棄物を長期間保管する場合、外部から廃棄物の変化に気づきにくいという短所があります。

ドラム缶には主に次の二つのものがあります。

蓋(ふた)付きオープンドラム

固形物や粉末状の廃棄物を入れることができます。上部のふたを取り外して廃棄物を入れます。

クローズドラム

液状の廃棄物を入れることができます。

天板(ふた)が固着しており、天板に空いた充填口から液状の廃棄物を注ぎ入れます。

廃酸や廃アルカリなど腐食性のある廃棄物の場合は、前述の鋼製のオープンドラムやクローズドラムでは扱うことができません。

この場合、鋼製ではなく内部がプラスチック素材になっている耐食性に優れたプラスティックドラムを使用します。

それぞれ蓋付きオープンケミカルドラム、クローズケミカルドラムと呼ばれています。

液体の廃棄物が少量の場合は、石油缶やプラスチック容器で運搬する方がいいでしょう。

廃油は石油缶、廃酸や廃アルカリなど腐食性のある場合はプラスチック容器が適しています。

ドラム缶の次によく使用されるのがフレキシブル・コンテナです。

フレコンバックとも呼ばれ、布などの柔軟性のある素材が使われており袋状になっています。

フレキシブル・コンテナは耐久性が低いので使い捨ての運搬容器として使用され、価格が安いのが特徴です。

また、液状の廃棄物を除けば、幅広い種類の廃棄物に対応できるのも特徴です。

廃棄物専用コンテナは建設現場を中心に使用され、がれき類など腐敗しない廃棄物を運搬するのに適しています。

廃棄物を一定期間保管できるなど効率的に運搬できるようになり、幅広い種類の廃棄物に対応できるのも特徴です。

なお、運搬するにはコンテナ専用車両が必要です。

感染性廃棄物とは血液の付着したガーゼや包帯、注射針など感染性病原体が付着している可能性がある廃棄物のことです。

運搬の際には感染性廃棄物専用の容器を使用し、しっかり密閉して感染拡大を防止しなければなりません。

また、容器には感染性廃棄物であることが誰が見ても分かるように表示しておかなければなりません。

感染性廃棄物は容器ごと焼却施設等に投入しますので、容器は使い切りになります。