産業廃棄物を収集運搬する場合、その廃棄物に適切な車両が必要になります。

運搬する廃棄物に不適切な車両を選択すると、飛散・流出の原因になりますので、産業廃棄物の性状などに応じて最適な車両を選択しなければなりません。

この記事を読んでいる人はおよそ以下の疑問があるのではないでしょうか?

  • どの車両を選択すればいいのか?
  • 車両一台でも大丈夫か?
  • 軽トラックでも大丈夫か?
  • 車両を保有していないのでリースでもいいのか?

この記事ではこのような疑問から車両の種類まで詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

運搬車両の種類と疑問点

ダンプ車と平ボディ車は運搬車両の王道

産業廃棄物を運搬するにあたって最も使われているのは、ダンプ車と平ボディ車です。

主に木くずや建設廃棄物等の固形状のものを運搬する場合に使用されます。

特にコンクリート等のかたまりは大きいので、深ボディと呼ばれるダンプ車もよく使用されます。

上部に飛散防止のためにシートカバー等を取り付けます。

深ボディのダンプ車

パッカー車

廃プラスティックなど圧縮性のある廃棄物をメインに運搬する場合、パッカー車がよく使用されています。

これはごみ収集車でもおなじみですよね。

このパッカー車は廃棄物を圧縮しながら運搬できるというメリットがあるので、その分多くの廃棄物を運搬でき、コスト面でも有利になります。

汚泥や液状の廃棄物の運搬には特殊な車両を使用する

汚泥等の泥状や液状の廃棄物を運搬する場合、タンクローリーや汚泥吸引車などを使用することも多いようです。

ダンプ車を使用する場合でも水密仕様(水が漏れないように密閉された)のダンプ車を使用する必要があります。

また、廃油や廃アルカリ等の液状の廃棄物を運搬する場合、ドラム缶などの専用の運搬容器を使用したり、排出事業所にコンテナを設置し、そのコンテナごと運搬することもあります。

汚泥吸引車

タンクローリー

 

軽トラックは使用できるか?

事業の規模によっては軽トラックでも大丈夫という人もいるかと思います。

これは多くいただく質問ですが、法律上、最大積載量や運搬車両の性能等の下限値は定められておりません。

事業計画において運搬量に見合った車両であれば、軽トラックでも大丈夫です。

また、軽トラックは事業用軽貨物自動車(黄色・白色ナンバー)である必要はありません。

自家用軽貨物自動車(黒色・青色ナンバー)でも大丈夫です。

ただし、車検証に乗用ではなく貨物と記載されていることが必要です。

また、車検証に土砂禁止の記載があるとその品目は運搬できません。

軽トラックは車検証に土砂禁止と記載されていることが多いので注意が必要です。

 

リースでも大丈夫か?

これも多くいただく質問ですが、リースはほとんどの自治体で認められています。

※一部自治体では申請できません。例(関西):京都府、京都市

車両1台でも大丈夫か?

産業廃棄物収集運搬業許可申請において車両台数の制限はないので、全く問題ありません。

ただし、後で車両の台数を増やす場合は変更届が必要になります。

最後に

車両は産業廃棄物の性状や運搬量に見合ったものを選ばなければなりません。

例えば、パッカー車の場合、性能や利便性を考えるとものすごくメリットのある車両ですが、がれき類は運搬できないなどやはり用途は限定されてしまいます。

極論を言うと、幅広く許可品目(運搬する廃棄物の種類)を取得したい場合、軽トラックならほぼ全ての許可品目を取得できます。

前述のとおり、車両の性能や積載量、台数に制限はないので、ご自身の事業計画に見合った車両を検討してください。