木くずは産業廃棄物と一般廃棄物の2種類に分かれます。
産業廃棄物の木くずは発生源が特定の業種に限定されており、同じ木くずでも一般廃棄物となることがあります。
つまり、発生元がどこの業種かで木くずが産業廃棄物になるのかどうかが決まります。
この記事では、産業廃棄物の木くずの定義から、実際の現場において判断に迷いやすい事例まで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
木くずが産業廃棄物となる場合
以下の事業活動に伴って木くずが発生した場合、産業廃棄物となります。
・建設工事から発生したもの
・木材または木製品製造業、パルプ業者、輸入木材卸売業から発生したもの
・PCBが染み込んだもの(全業種)
・貨物の流通のために使用したパレット
・物品賃貸業(リース業)に係るもの
廃棄物が事業活動に伴って発生しても上記に該当しなければ、一般廃棄物となります。
産業廃棄物「木くず」の具体例
建設業・・・・柱など
木材・木製品の製造業、パルプ製造業、輸入木材の卸売業・・・・おがくず、木切れ、チップくずなど
木くずの具体的な判断例
実際に判断に迷いやすい事例を以下に紹介します。
家屋をその住人が自分で解体したときに発生した廃木材は?
事業活動に伴って発生したわけではないので、この場合は一般廃棄物となります。
ダムの管理をする際に不要物として排出された流木は?
「ダム管理」は事業活動ですが、前述の特定の事業活動のどれにもあてはまらないので、一般廃棄物となります。
造園業者が剪定枝のために伐採した不要な根や枝は?
「造園業」は建設業や木材・木製品の製造業、パルプ製造業など特定の事業活動にあてはまらないので、一般廃棄物となります。
注意点としてはこの剪定枝が建設業に伴って発生した場合は産業廃棄物となります。
例えば、建築物の解体工事の際、邪魔になる根や枝を建設業者が伐採する場合などです。
建設工事に伴って生じた不要な竹は?
建設工事は前述の特定の事業活動にあてはまりますが、そもそも竹は「木くず」ではありませんので、一般廃棄物となります。
輸送のために魚や野菜などを入れていた不要な木箱は?
この木箱は「貨物の流通のために使用したパレット」や「パレットへの貨物の積づけのために使用した梱包用の木材」にあたらないので、一般廃棄物になります。
パレットというのは箱型ではなく、平の台上に荷物を載せるタイプのもので、フォークリフトやハンドリフトの爪を差し込んで持ち上げて使用します。
工場やトラック、コンテナ、倉庫などで荷役作業を扱いやすくするために使用されています。
リース業者が排出した木製の家具や器具類などの不要なリース物品は?
前述のとおり、リース業者が排出した木くずは産業廃棄物となります。
ただし、木製のリース物品が契約終了後に有価物として売買され、その後、リース業者以外の事業者(購入元)により廃棄物として排出された場合は物品賃貸業に伴って生じたものではなくなります。
この場合、一般廃棄物ではなくなりますので気をつけてください。
船舶から輸入木材の陸揚げを行うにあたり、その側面から海面に直接放出して引き揚げる場合の海面に浮遊する不要な木材は?
この場合は卸売業に伴って生じたものであれば、船舶から輸入木材の陸揚げを行った時点で産業廃棄物の「木くず」になります。
木くずの処理方法
木くずは建設リサイクル法の施行や資源としての価値が見出され、原料や燃料として再生利用されています。
近年、木くずの再生利用の割合はおよそ7割で、そのうち木くずの最終処分率は1割にも満たない数字になっています。
木くずのリサイクル方法は原料化と燃料化の2種類に分けられます。
原料としては製紙原料やボード原料、堆肥原料などに再利用され、燃料としては主に燃料用チップやバイオマス燃料に再利用されています。